新車完成への道 その4
メス型が完成したのでいよいよアンダーカウル製作に取り掛かります。
とりあえず、
サンドイッチパネルを切り出して削り出しておいたミラフォームと一緒に位置合わせ。このミラフォームにカーボンクロスを張り合わせればサンドイッチパネルと同じ役目をします

数ミリ程度の誤差があったので積層をはじめる前に修正しました。
(10月4日)
今回製作のアンダーカウルはカーボンクロス1枚できれいに積層するのは難しいという事で前と後ろに分けて積層することにしました。さらにメス型からはみ出したところは位置合わせの段階でカット。(写真左)

またもや院生のみなさんの手を借りて積層開始。前もってメス型の内側に離型ワックス、PVAを塗っておきます。

後部のエッジのきいたパーツだけは一旦外しておいて単独でカーボンを貼り付け、アウター側のカーボンクロス2枚を積層したところで合体。(写真右)
カーボンクロスを積層し終わったところでピールクロスを貼って余分な樹脂を吸い取らせます。(写真左)

次に
穴あきTPXリリースフィルムを貼り合わせていきます。(写真中央)

さらに、真空引きをするために
ブリーザークロスと言うものを使います。(写真右)
フランジにシーランドテープを着けてバキュームパックを貼っていきます。(写真左、左から2番目)

今回の秘密兵器、真空引きをするための装置。(写真右から2番目) 小さくても1分間に10L吸引してくれるものらしいのですが10Lでは容量不足で思ったほど効果は得られず、掃除機を使って真空引きをすることに。。。まずは近くにあった家庭用掃除機、吸引開始10分たったところで停止。。。このままではマズイ!と言うわけで業務用掃除機でトライ!(写真右) しかし、これが効果ありで完全な真空引きとはならなかったけど意外と役に立ちました。
業務用掃除機で真空引きした時の写真。穴あきTPXリリースフィルムからも余分な樹脂を吸い取る程の吸引力はあります。
(10月4日)
アンダーカウル積層手順

メス型に離型ワックス、PVA(積層前日)→真空引き材料位置合わせ、カット→アウター側カーボンクロス積層(10分)→アウター2層目積層(10分)→コア材セット→インナー側1層目積層(10分)→インナー2層目積層(10分)→ピールクロス、穴あきTPXリリースフィルム、ブリーザークロス、バキュームパックセット&真空引き開始、隙間塞ぎ(20分)→硬化開始
約12時間後に脱型をしてみました。

プラスチックのヘラを隙間に入れほんの少し開いた隙間に少量の水を流し込み、ヘラをスライドさせながら全体に隙間を広げていきます。(写真左、中央)

ある程度の隙間になったらホースを差し込んで水を流し込む簡単に型から外れます。(写真左)
(10月5日)
出来上がったモノはこちら。(写真左)

外側は上手くいったけど内側の前に大きな失敗を発見!(写真右)
2cm程剥がれた状態で固まっていました。
この部分は一度切ってあとで貼りなおす事になりました。
アッパーカウルの製作に入る前にスクリーンを作ります。スクリーン用に1m×2mのPET板を購入、小型のジェットヒーターをレンタルしてきてとりあえずメス型に置いた状態でチャレンジ。メス型製作用の台を利用した小屋の温度は130℃近くまで上がるもののやっぱり置いただけの状態では上手くいかずに失敗。新型車両は前から2/3をスクリーンにする予定で曲面のきつい前面がかなり難しい。。。
(10月6日)
大型スクリーンをきれいに作るのは無理!と言うことで、いくつかに分けてスクリーンを張ることに。
オス型を使ってだいたいの位置を決めて大きめに切ったPET板を型に貼り付け、ジェットヒーターで暖めます。やわらかくなってきたらPET板を型に押し付けてガムテープで固定。
予定とは全く違ってしまったけれど、曲面の出来はまあまあかな?
ルーターにカッターを着けてカウルの合わせ面を修正、はみ出たカーボンをカットします。(写真左)

後部のエッジ部など部分的に樹脂の染込んでいなかった所があったので樹脂を塗り直します。(写真中央、右)
フロントの垂れた状態で固まってしまった所もカットしてカーボンクロスを貼り直しました。修正後の写真が左。 
修正に使った樹脂の余りに
ガラスビーズを混ぜ樹脂パテにして隙間を埋めました。(写真右)
(10月7日)
アンダーカウルの修正が終わったのでシャシーの組み立てを開始します。まずは切り出したサンドイッチパネルにアルミ部品用の穴を開け(写真左)、シャシーを垂直・平行になるように仮組しておきます。(写真中央)

シャシーを着ける前にタイヤの出る部分もカットしておきます。CADを使った干渉チェックでハンドルの切れ角12度に合わせた必要最小限のスペースで切りました。(写真右)
アンダーカウルの中心線を出しサンドイッチパネルを樹脂パテで固定、写真では分かりにくいですが完成したアンダーカウルが思ったよりも強度があったのでモックアップ製作時では着ける予定だった腰周りの補強はしない事に。これで体格を気にせずドライバーの幅が広がりました!硬化したらカーボンクロスを張り合わせます。(写真左)

アルミ部材が完成したのでシャシーに組み上げます。(写真中央) 今回各ボルトナットにアルミを使用してみました。スチールに比べて60%の軽量ができボルトナットだけで300gの軽量に成功しました。

上下カウルの合わせ面にはピンを使います。(写真右上)強風対策として念のためにRピンも着けられるようにしておきます。さらホイールバランスも取ってみました。(写真右下)
戻る
次へ